富士川の西岸をゆっくりと探検する。
西嶋・富士川について
地元民・リピーターによるおすすめポイント!!
- 富士川町の商店街は人情商店街。
- 落語「鰍沢」の聖地!
- 「硯」と「和紙」。書に書かさえない道具はこの地から。
「ふじみのくまさん、もがいてる」と聞いて、ピンと来る方はいらっしゃいますか?
これは、日本の河川のうち、最も流れの速い日本三大急流「富士川」「球磨川」「最上川」の覚え方。
南アルプスの鋸岳から流れ出し、様々な川と合流しながら富士山の西側を通り駿河湾へと注ぐ富士川は、実は日本三大急流だったとか、「ふじがわ」ではなく「ふじかわ」と読むとか、地元民以外は案外知らなかったりします。
その富士川を名前に持つ「富士川町」は「富士川」の西側の地域で、古くは甲斐の国と駿河の国を結ぶ水運の要所だったとか。
そうです。実はこれ、海のない山梨県が人口10万人あたりの寿司店の数が日本一であることの理由の一つなんです。
富士川町は、ダイヤモンド富士が見られる「日出づる里・高下地区」や、「櫛型山」、「源氏山」、「大柳川渓谷」などの自然満載のイメージが先行しがちですが、実は、南山梨エリアで最も人口の多い町(早川町の14倍以上!)。
南山梨エリアで唯一の酒醸造所や、個性的なお店や飲食店が立ち並ぶ「商店街」の一面も持っています。昭和の香りが漂う商店街で、お店の人と立ち話を楽しめるのも富士川町の大きな魅力の一つです。
「富士川」(川の方)の西岸沿いの国道52号線を身延の方へ向かって走れば、手漉き和紙の里として知られる「西嶋」へ。
途中、冨嶽三十六景の一つ「甲州石班沢 (かじかざわ) 」として葛飾北斎が描いた景色は恐らくこの場所に立って見たのだろうというポイントがあるので、辺りをよく見ながら、安全運転してくださいね。
「西嶋」には今も手漉き和紙の文化を継承する工房や、スチームパンクを思わせる機械式の小さな製紙工場があります。
今よりも手漉き和紙を日常的に使っていた時代には、漉いたばかりの和紙を天日で乾かしている風景がそこここで見られたとか。
残念ながら、そんな風景は見なくなりましたが、その代わり手漉き和紙の工程を体験することができる工房があります。
簡単そうに見えるけれど、実は難しい匠の技を経験すれば、書き損じた紙を安易にくしゃくしゃと丸めることができなくなるはず!学校のお習字の時間以来やっていなかった、「硯で墨をすり、筆で字を書く」なんてことも、久しぶりにやってみたくなるかもしれません。